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あの時、

 

先日、歌舞伎座の帰り道、

5歳くらいの男の子とお婆様が、

手をつないで歩いている姿がありました。

 

お婆様は男の子にお菓子をあげ、

そのお菓子を無邪気に頬張る姿をみて

目を細められておりました。

 

お客様の中には、

「歌舞伎を見に来るのは、

小さい頃祖父母に連れられて以来です。」

という方が多くいらっしゃいます。

 

あの男の子も、

大人になって歌舞伎を見た時

この日を思い出すのだろうか、、


 

 

以前、「どうしたら若者が

伝統芸能に興味を持つと思いますか」

と聞かれたことがあります。

 

若い人は、周りが思う以上に

豊かな感受性を持っています。

問題はいかに伝統文化・芸能に触れる機会を

周りの大人が作ってあげられるか、

なのではないでしょうか。

 

そのお婆様とお孫さんの姿を見て、

そんなことを考えた日でございました。

 

鷹之資